2007年09月01日

まきもの

巻き物1
今年の夏、イギリスのサンダーランドのシンポジウムに参加し、Ann Heckleのクラスを受講しました。
クラスの内容は、各自のプロジェクトを進めていくのですが、そのプロセスを体験するという内容なので、とても精神的、哲学的です。ディスカッションも非常に多く、英語に付いて行くのに必死


単にグラフィック的に美しい作品を作るのか、それともいつも自己の内面を見つめてそれと対峙してプロセスに身をゆだねるか。それがこのクラスのコンセプトだった様に思います。作品制作のアプローチに関することが主でしたが、今までこういう事を教えてくれるクラスはなかったのでとても勉強になりました。音楽を聴いたり、ヨガ体操をしたり、インスピレーションを得るためにお散歩に行ったり、単にテクニックを教わるという内容ではなく、その点では本当に楽しいものでした。

私はいろいろと進めて行くうちスクロールになりました。
時の流れの普遍性を、一日、季節、そして人生として表現した作品を作りたいと思ったので、一瞬一瞬の集まりが時の流れを作 るということを表現するには、スクロールという形がいいだろうということになりました。すべて開いて見るのではなく、両端を丸めてある範囲のみ見て行くムービーの様な 形が合っていると思ったのです。

巻き物2巻き物
クラスでは、ドラフト程度を持参することになっていて、私はこんな鉛筆書きの線とマークのイメージとアイデアを持っていきました。

それ以外はすべてクラスの中で発展させていきます。

巻き物5←これはいろいろな試し書き。
なんだか、イメージから離れて行く様な・・・。書体なのか、色なのか。

巻き物6
イメージは結局鉛筆と水彩絵の具でシンプルにすることにして、あとは文字とイメージと見て行くスピードやペース、そしてテキストの内容がポイントです。




巻き物4
最初からゴールをみつめないという考え方は、新たな道を見いだすきっかけを作りました。
当初は苦しい作業になるのかと心配しましたが、時間をかけて考えたり作業したりするプロセスは以外と心地良く、様々なことに影響し合う小さな変化をみつけて大事にする、ということがいかに大切かということがよくわかりました。


瓦に書く人、曼荼羅を作る人、墨絵風の作品、写真とのコラボ作品、女性の生き方を美しい貝がらとともに表現する人、ケルズの書に出て来る猫の話などなど、取りかかっていた物は人それぞれでしたが、結局クラスの誰も完成する人はいませんでした。
しかし、それぞれが実のある体験をした素晴らしいクラスでした。

以上今年の夏報告でした〜!

mojitor-s   
モジトル・ウェブサイト  昨日更新しました。新作2点登場!



mojipower at 21:29 │Comments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ! カリグラフィー 

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この記事へのコメント

1. Posted by kemu    2007年09月02日 16:50
Sheila Watersの著書"Foundations of Calligraphy"の中のFROM CONCEPTION TO COMPLETIONの章でThere is never a single answer to a layout problem.と書いてありますがSさんがなさって来られたことが「まさにこれかあ〜」と思いました!
2. Posted by mojitor-s    2007年09月07日 20:20
Kemuさんコメントありがとうございます。
お返事遅くなってすみません。

Sheilaのお言葉には重みがありますね。まさにその通りだと思います。Sunderlandで彼女にお会いしましたが、とてもお元気そうでした。

何かを決定するときには、自分のを心(自分でも気がつかない小さな声)に耳をすませて、それを大事にしなさい、いつも必ず自分の気持ちに立ち戻りなさいとAnnも言ってました。

無意識な自分の心が、その時々の問題点を決めているのかもしれません。
何かを解決するときには、それにゆだねることが結果的に多くの解決策につながっていくのだと思います。

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